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REPORTS

活動レポート

北杜山守隊が主催した日向山登山道保全ワークショップに参加

2025-09-20


9月20日、北杜山守隊と日向山にて登山道保全ワークショップを開催しました。



1️⃣ 植生をいかに守るかが最も重要なポイントです。上図をご覧ください。本来ここには4本の登山道があります。左端の登山道の問題は、森の奥深くへと延びており、そこを歩くと菌類や植生がほとんどない場所を踏んでしまうことになります。右端の登山道の問題は、隣の道と合わせて島状の地形をつくってしまい、真ん中にある木の根がどんどん露出し、最終的にその木が枯れてしまう可能性があることです。


2️⃣ ではなぜ登山者は左か右を選んで歩くのでしょうか? その理由は、中央の道が滑りやすく勾配もきついため、歩きにくいからです。今回の議論を経て出した解決策は、左右の道を自然に戻し、中央の2本の道を補修して歩きやすくすることでした。


3️⃣ そのため、左右の2本の道を閉鎖しました。多くの倒木を使い、登山者が通らないよう誘導します。将来的に植生が回復したら、その倒木は撤去します。


4️⃣ 中央の2本の道については、改めて設計・整備を行いました。地形に合わせて形の合う倒木を選び、まだ完全に地面に落ちていない木や、落ちたばかりの木を利用します。これにより、すでに繁殖している菌類や植生をできる限り傷つけないようにしました。


5️⃣ 木道を組み終えたあとは、階段部分を主に倒木、落ち葉、土で埋めました。倒木はできるだけ菌類がすでに育っているものを使い、木の根を養うことを目的としています。また、木の根が階段に張り出すことで将来の雨による土砂流出を防ぐ効果もあります。(この山は雨が降ると山頂から非常に大きな水流が流れ落ちます)


6️⃣ 階段をつくる際、倒木は三角形に組み合わせました。これにより固定用の杭を打たなくても安定します。さらに三角形の踏面になるため、登る際に常に片足で踏み上げる必要がなく、左右の足を交互に使いながら柔軟にルートを選べ、省力化につながります。(登山をよくする方なら、この違いを体感していただけると思います)。


LNT法則とは?

LNT(Leave No Trace)=「痕跡を残さない」 ✅

その核心は:

1️⃣ 自然を尊重し、ゴミを出さない

2️⃣ 人為的な痕跡を最小限にする

3️⃣ 環境を本来の姿のまま保つ

近自然工法 = LNTの実践


登山道整備においては:

🚫 セメント、プラスチック、人工物は持ち込まない

✅ 現地の石、倒木、土を活用する

💧 地形や水の流れに従い、大地自身の修復力を活かす

🐛 菌類や虫の生態を守りつつ、新しく倒れた木を利用し、最小限の負担で登山道を修復する